そもそも「SIM」ってなに?
巷でよく聞く「格安SIM」という言葉。この「SIM」ってなに?というところから見ていきましょう。
SIMカードとは
皆様がお持ちのスマートフォンやガラケー、タブレットには「SIMカード」というICカードが挿入されています。
これは自分自身で取り外すことが可能で、スマホ端末とSIMカードの組み合わせで電話やインターネットが使えるようになります。
ちなみに、
- S…Subscriber
- I…Identity
- M…Module
の頭文字をとって「SIMカード」と呼ばれています。
SIMカードに電話番号等の「識別情報」が記録されており、各キャリアは契約者情報とSIMカードの識別情報を紐づけて、通信サービスを提供しています。
SIMカードには3種類のサイズがある
SIMカードには3種類のサイズが定められています。
SIMカード名称 | 標準SIM | micro SIM | nano SIM |
---|---|---|---|
縦 | 25mm | 15mm | 12.3mm |
横 | 15mm | 12mm | 8.8mm |
特徴 | 古い機種に多い | 昔のAndroidはこれ | 最近のiPhone・Androidは全部これ |
日本国内で利用者が多い「iPhone」では「nano SIM」が採用されています。
SIMフリーってなに?
SIMカードについて学んできたところで、次は「SIMフリー」という言葉について調べてみました。
各端末には「SIMロック」というプロテクト(鍵)がかかっています。
これは、各キャリアによって設けられているもので、簡単に言ってしまえば「この機種は自分のところ(キャリア)のSIMカードしか認識しませんよー」という鍵がかかっている状態を指します。
この画像のように、
端末 | SIMカード | 通信可否 | |
---|---|---|---|
SIMロックありの場合 | ドコモ | ドコモ | ◯ |
au・ソフトバンク | × | ||
ドコモ回線の格安SIM | ◯ | ||
ドコモ回線以外の格安SIM | × | ||
SIMフリーの場合 | SIMフリー | ドコモ | ◯ |
au・ソフトバンク | ◯ | ||
ドコモ回線の格安SIM | ◯ | ||
ドコモ回線以外の格安SIM | ◯ |
といった具合になります。
言葉で説明するならば、SIMフリーとは「携帯電話やスマートフォン、タブレット端末の利用にあたって好きな携帯キャリアのSIMカードを自由に差し替えて使える状態」のことを指します。
SIMロックってなに?
他キャリアのSIMカードを読み込めないようにする鍵のことを「SIMロック」と言います。
これまで、日本では携帯電話を買い替えたい場合にはかならず「キャリア」で契約することが強いられていました。
各キャリアとしては、自社サービスを使ってもらい、高額な通信料を請求することによって利益が出ます(だいぶ言い方が悪いですが…)。
代理店を通じて全国にキャリアショップを展開し、通信料金によって得た利益を元手にさらに展開、代理店へ販売手数料を支払うことで全国的に割安で端末を販売。
割安の端末を買うためにはキャリアと契約(=通信料の支払いが伴う契約)する必要があります。
すると、また通信料を請求することができ、利益が上がります。
そして、その利益を使ってさらなる展開を…という無限ループを作り出していたのです。
このループを持続、維持するためには他キャリアへの流出を防ぐ必要があります。
そのために「SIMロック」という鍵がかけられていたのです。
SIMロックの解除方法について
2017年頃より、様々なサービスを提供する「MVNO事業者」が登場してきました。
今では、各キャリアの通信料金は非常に高額の為、格安で済む「MVNO事業者」「格安SIM」を利用する人が増えてきています。
それらのSIMカードを利用するためには、「SIMフリー対応の端末を購入する必要」があるのですが、「現在お手持ちの端末にかかっているSIMロックを解除する」という方法もあります。
今回は、各キャリアにおいて、その方法を記載していきます。
docomoの場合
- 条件:端末購入後、6か月以上経過していること
- 料金:0円、機種によっては3,300円
- 手続き方法:パソコン、携帯電話、ドコモショップにて
2011年4月以降発売の機種から、端末購入者本人に限りSIMロック解除が出来るようになっています。
ただ、2015年5月を区切りとして必要な手続き方法が違うため、注意が必要です。
詳しくはdocomo公式ホームページをご確認ください。
なお、格安SIM(MVNO事業者)のほとんどは「docomo回線」を利用しているため、SIMロックを解除しなくてもそのまま挿入することによって利用することが出来ます。
auの場合
- 条件:端末購入後、6か月以上経過していること
- 料金:WEB経由の申し込み→無料、auショップでの申し込み→3,300円
2015年5月以降に発売された機種については、SIMロック解除が可能となっています。
auは、端末購入者本人でなくとも手続きが可能となっています。
なお、注意点が一つあります。
それは「他MVNOでの動作保証が為されていない」ということです。
要するに「au回線利用のMVNO『以外』を使う時は自己責任でお願いね^^」ということですね。
また、auに関しても、au回線利用のMVNOであれば、SIMロックを解除する必要はありません。
SoftBankの場合
- 条件:端末購入後、6か月以上経過していること
- 料金:My SoftBankからの手続き→0円、SoftBankショップでの手続き→3,300円
2017年2月時点において、Softbank回線を利用しているMVNO事業者はまだいません。
ですが、3月22日より日本通信がSoftBankのMVNO事業者としてサービスを提供する予定です。
まとめ
最後に、SIMフリー化することでのメリットとデメリットをまとめたのでご確認ください。
メリット
- 端末に好きな契約のSIMカードを入れて使い続けることが出来る
- 海外渡航時、現地でSIMカードを契約し、通話料や通信費を安く抑えることが出来る
- 高額な携帯端末を都度購入する必要がない
デメリット
- 端末購入が伴わなくなる可能性があるため、キャリアが料金プランや端末代金をさらに上げてくる可能性がある
- SIM契約をして端末挿入後、自分で設定を行う必要がある
SIMロックとは、スマホ端末を購入したキャリアのSIMカードしか認識しないようにするためのロックのことです。
そして、そのロックを解除する手続きのことを「SIMフリー」とよび、SIMフリー化することでお気に入りの端末のまま携帯キャリアを乗り換えることができます。
昨今ではSIMフリーが一般的でサポートも充実しているので、SIMロックを解除することのデメリットはほとんどないということをぜひ覚えておきましょう。